iPhoneのケースが壊れたので新しいケースを買った。
自分に必要なケースの要件は以下2つ。ちなみに壊れたやつも同じ要件だった。
・手がそんなに大きくないのでリング必須
・片手でスッと出して使いたいので手帳型はNG
というわけでこれを買った。
ちなみに壊れたのはこれ。ほとんど同じ。
よっしゃー使うぜ…と思ったらなんか使いづらい。
前みたいにポケットからサッと出してスッと構えるエレガントが立ち振る舞いができず、モタモタしてしまう。
原因がわかった。
右手で持ってリングに指を入れる場合、一番ベストな角度は大体45度である。つまりリングを45度の角度に回さないといけない。
↓こんな感じ
新しいやつは
①起こす
②回す
この順番でしか45度の角度に回せない。
これやってみるとわかるが、片手ではなかなか難しい。つまりスマホをポケットから出す度に両手を使わないといけない。
まあまあめんどくさい…(´;ω;`)
壊れたやつは起こす前に角度をつけられる仕様だった。
なので動作は「起こす」だけであり、片手で十分。
同じ機能のケースを買ったつもりでも、この微妙な違いがかなりのユーザビリティの差を生み出していた。
何が言いたいかというと、
人は自分に必要なものが何だかわからない
ということ。
毎日使っているiPhoneのケースでさえ、無くなってから初めて気づく「要件」がある。頭では要件を全て抑えているつもりでも、意識していない必要な機能がある。
プロダクトマネジメントをする際もユーザーにアンケートやインタビューで「どんな機能が欲しいですか?」「使いづらいところはどこですか?」とか聞いてしまいがちだが、それは暗黙のうちに「ユーザーは何が必要か理解している」という前提に立ってしまっている。
ユーザーに聞くのではなく、ユーザーがどういう使い方をしているのか、煩わしい手順は何か、解決したい問題の手段はこれが最適なのか、などをインタビューや観察によって見極めることが求められる。特に無意識に感じていることはインタビューで顕在化しないので注意が必要だ。じっくりユーザーと向き合って見極めないといけない。
今回のiPhoneケースの場合も自分で選ぶのではなく、誰かに自分の使い方をじっくり観察してもらって選んでもらうのがよかったかもしれない(そんなことしてくれる人いないけど)。
つまり「ユーザーが求めているもの」ではなく「ユーザーが解決したいこと」にフォーカスを当てて、プロダクトに反映していくべし。
そうです。ジョブ理論を読みましょう。
こちらは以前まとめたスライド(一部レイアウト崩れてます)
最後にフォード大先生の名言を。
引用元:http://blog.etn.co.jp/english-henryford/1429.html
「もし人々に何がほしいかと聞いていたら、彼らはもっと速い馬がほしいと答えていただろう。」
以上、日々の些細な出来事からの気づきでした。