前日に引き続きもちろん参加!
今回も全網羅的ではなく、個人的に刺さった言葉をピックアップして解説します。
1.愛をお金に変えよう
マネーフォーワード今井さん。
所用で席を外してたので全部聞けてはいないんですが、最後のまとめて「愛をお金に変えよう」と仰っていたところが「確かに大事なことだ」と思いました。
今回のカンファレンスのテーマは「愛されるプロダクトを創ろう」。
ただいわゆる「無償の愛」ではダメで、企業はそのプロダクトを継続的に成長させる責任がある。そのためにはやはりお金を稼ぐこと、カスタマーやクライアントからお金を頂くことは必要なのです。
よって重要な観点は「プロダクトで得た愛をいかに効率よくお金に変えるか」で、マネーフォーワードで言えばより上位のプランにシフトしてもらうためにどのような価値を提供するか。
Appleはいい例で、ユーザーからの猛烈な愛をうまくお金に変えられる仕組み(例:高単価なiPhoneやその付属品、値引きしないスタンス)を作っている。要はユーザーがお金を出すことに対する納得感を醸成できるかが鍵。
これは完全にPMの腕の見せ所で、ブランディングやPR、CSなども合わせて戦略を立てないといけない。
愛とお金を稼ごう。
2.役割を4つに分類して強みを可視化する
リクルートコミュニケーションズ宮里さん、金田さん。
PMをどう組織で育てていくか、というお話。
一番印象的だったのが、PMの役割を4つに分類して、各々の強みを明確化している活動。
PMに限らず「マネージャー」って何でもできるって錯覚されがち。
もちろん人間なので強み・弱みはあるのに、全部のことができないといけない雰囲気があり、無駄に期待値が上がって勝手に失望され、マネジメントがままならない状態になったりする。
それをしっかり分類して明確化するのは、無駄な期待値のズレが生まれないからPM本人にとっても周りのメンバーにとっても良いことだと思う。
自分もよくメンバーのタスク管理を期待されるけど、人のタスク管理めっちゃ苦手です。自分のですらままならないのに。
なのでタスク管理はチームリーダーに任せて、自分は大きなマイルストーンにおける状況確認だけしてる。苦手なことは苦手と明示して、得意な人に任せられるなら任せる。
これがチームとしてベストな状態だと思う。
3.It’s not about the events; It’s not about the intensity. It’s about consistency.
メルカリJasper Wuさん。
デザイン思考のお話。
デザイン思考を実践するにあたってのステップ。
- Understanding
- Team Work
- Fail Fast
要はユーザーを観察し憑依することで、ユーザー解決したい問題を理解(Understanding)し、エンジニアやデザイナーなど様々なバックグラウンドを持つメンバーでジャーニーマップを作り(Team Work)、高速スプリントを回して早く失敗して正解に近づいていく(Fail Fast)。
ちなみにメルカリではデザインスプリントは3日でテストまで終わるそうです。Fastすぎません?w
そして最後に
"It’s not about the events; It’s not about the intensity. It’s about consistency."
という言葉を紹介していただきました。
Simon Sinekという方の言葉だそうです。
要は「愛されるプロダクトになるためには一過性の体験ではなく、ユーザが本当に解決したい問題を一貫して継続的に解決し続けるべき」ということ。
例えば単発のキャンペーンやボーナスなどで一時的に満足度を上げるのではなく、地味でもいいので着実に問題を解決すること。それをブレずに継続することで愛されるプロダクトになるのです。
大事ですね。MAUを増やすために短期的に効果が上がるキャンペーンを乱発したくなる気持ちもわかりますが、それは本質的なことではないのでしっかり地に足つけてユーザーの課題を解決していく姿勢が大事ですね。
あと余談ですが、とにかくプレゼンがうまかったです。
通訳の方がいるので、話している量は他の登壇者より少ないはずだし、スライドにもほとんど文字はなかった。にもかかわらずここまで腹落ちする内容のプレゼンができるのは、プレゼンの構成やメッセージの純化ができているからだろう。見習おう。
4.中国のPMに求められるのはニーズやイノベーションの発見力
Baidu Chenさん。25際にしてShimejiのPMをされているそうです。日本語ペラペラ。
昔の中国は「アメリカの模倣」ばかりだったけど、最近は「中国に最適化したイノベーション」が起こっており、その結果はご存知の通りあの成長っぷり。
そんな中国ではどんなPMが求められているのか、アメリカとの比較で説明していただきました。
米国と中国のPMの違い #pmconfjp pic.twitter.com/DY56gB5CdL
— 及川卓也 / Takuya Oikawa (@takoratta) November 7, 2018
つまり技術重視で優秀な人材をかき集めるアメリカとは違って、中国ではニーズやイノベーションの発見力を備えた人材が求められるようです。必ずしもComputer Scienceを履修していなくてもOKとのこと。
なぜか。
大きな理由は中国のマーケットの違い。アメリカに比べて地域格差が大きく、農村部の人々は都市部の人々と同じものは求めていない。つまりニーズが画一的ではなく多様性に富んでいるということ。
例えば今中国では拼多多(ピンドォドォ)というECサイトが大人気らしいです。このサービスはアリババと違って「安さ」をストロングポイントにおいていて、偽物も大量に扱っています。「4Kテレビ」と紹介されていても、実物は4Kでも何でもないそうです。でも農村部の人はそれでいいらしいです。安くて手元に届けばいい。
こういうニーズを見つけられる能力が中国のPMに求められるとのことでした。
そんな「ニーズを見つける力」を備えた中国のプロダクトが、続々と日本にもやってきている。日本のPMは本当に危機感を持った方がいいと思った。
中国のPM以上にニーズの発見力を備えて、日本のプロダクトを成長させていかないといけない。そんなことを痛感したプレゼンでした。
最後に:ワークショップ
「愛されるプロダクトを創る理由」を考えるワークショップ。
自分は
これからも世界中の人の選択肢が増え続けるから
と定義してみました。
これからどんどんあらゆる人の選択肢が増えていきます。
例えば
- 移動手段:タクシー or 電車 or ライドシェア
- 宿泊:ホテル or 民泊
- 自動車:購入 + カーシェア
- 購買:店から + 人から
みたいな感じ。かつ増えた選択肢の中でもどんどんプロダクトやサービスは増えていきます。
その中で選ばれるためには「愛される」ことが必要だと思うのです。
そして愛されながら継続的に成長することで、ユーザーも幸せになっていくと考えています。
というわけで今年も非常に有意義な学びと刺激の時間になりました!
実行委員の方々、お疲れ様でした!ありがとうございました!
2日目のまとめはこちら。