もくもくプロダクトマネジメント( @Nunerm )

プロダクトマネジメント・エンジニアリングマネジメントなどについて黙々と

プロダクトオーナー祭り2018 ~世界を創るのは俺たちだ!~ 

少し前の話ですが、プロダクトオーナー祭り2018というものに参加してきました。 

 

プロダクトオーナー祭り2018とは?

 「POStudy ~アジャイルプロダクトマネジメント研究会~」というコミュニティが開催しているプロダクトオーナー・プロダクトマネージャーのためのイベントです。

 

面白かったいくつかのセッションと個人的に刺さったトピックを一つずつ紹介をします。

  


『Product Backlog の管理だけじゃない⁈〜5年目だから分かる。本当の Product Owner の役割〜』

江端 一将 氏 株式会社Odd-e Japan 代表取締役
浅田 純史 氏 株式会社Odd-e Japan 最高戦略責任者

 

まずスライドの7枚目を見せて「どれ聴きたいですか?」とその場でアンケートをし、一番多かった「バーンダウンチャートが0になるまで…」にスコープを絞ったセッションが始まりました。面白い進め方ですね。

 

 

個人的に刺さったのは、バーンダウンチャートを0にするために「自分たちが見通しを立てられない原因を明らかにし、その状態からの脱却を目指す」ということ。

バーンダウンチャートを0にできない理由として、想定外のタスクが発生することが挙げられます。要はその想定外のタスクが発生する原因をちゃんと分析し、それを除去することをバックログの中の「やること」として明確化することが大事であるという考えです。

具体例としてはソースのリファクタリングが挙げられます。ソースのデグレの発生が目立ってきた場合などは、まずはリファクタリングをしてデグレが発生する可能性を下げることが必要です。

リファクタリングという直接的に価値を生み出さないタスクを入れることでリリーススピード低下につながるため、ステークホルダには理解してもらえない可能性があります。しかし先行投資として価値のあるタスクであるということを発信し、しっかりバックログに入れることを意識的に行う必要があります。

 

プロダクトオーナー/プロダクトマネージャーの仕事は「ROIを上げる」という目的達成のために「リターンの最大化」をむやみに求めるのではなく「Investを適切にコントロールする」ことが重要なんですね。

 

 


『AI女子高生りんなが友だちとトモダチになるために 〜りんなの保護者がプログラムマネージャーとしてやってきたこと〜』

坪井 一菜 氏 マイクロソフトディベロップメント株式会社 AI&リサーチ プログラムマネーチャー

 

このセッションでは単純に

「りんなすげぇ(・∀・)♪」

と思いました。

 

個人的に刺さっというか勉強になったのは「再現率」と「適合率」のトレードオフの考え方と、りんなは再現率を重視しているプロダクトであるということ。

「再現率」と「適合率」と詳細はこちら。

 また当日の内容はこちらに綺麗にまとまっています。(こういう風にまとめられる人凄いなあ…)

 

 


ヤフオク! -大規模サービスならではの難しさとやりがい-』

福井 進吾 氏 ヤフー株式会社 ヤフオク! プロダクトマネージャー(出品領域)

 

まずこのインフォグラフィックサイトが紹介されました。

 

この最上部にある日本地図がヤフオクでの取引のトランザクションを表す図。こんな高頻度で取引が行われているんですね。改めてヤフオクの「大規模さ」を感じることができました。

 

そんな「大規模」が故の苦労と対応の話です。

苦労話をいくつか抜粋すると、

  • ユーザには長年親しんだ使い方があり、仕様・デザイン変更には慎重さが必要(セルの幅を変えるだけでもクレーム多発)
  • あらゆる顧客の使い方を検討する必要がある(ヤフオクでの売買を生業とするヘビーユーザの想定外の使い方がある)
  • その機能を利用するユーザの割合が小さくても、人数にするとかなり多いので簡単に割り切れない

などです。

 

ではどのようにして機能の変更を行うのか?

プロセスは

  1. 簡易プロトタイプを利用した仮説の検証(「自分たちが想定した課題=顧客の課題か?」を突き詰める)
  2. 課題解決のコンセプト立て(ヤフオクの場合は「時間」・「労力」・「わかりやすさ」を軸とした)
  3. コンセプト実現のためのブラッシュアップ(定期的に品質やコンセプトに則っているかチェックやユーザビリティテストをする)
  4. 分析(定量をクリアしたら定性ベースで改善する)

 です。

個人的に刺さったのは3.コンセプト実現のためのブラッシュアップの際に「UXポリシー」を持つということ。ヤフオクの場合は「軽くて早く」「かっこ悪くても簡単な言葉を使う」などがあるようです。

自分のプロダクトの「UXポリシーは何か?」と問われた時に、パッと簡潔な言葉で説明できないことに気づきました。多くのステークホルダを抱える大規模サービスにおいては、こういうシンプルなポリシーを掲げておくだけで、サービス全体でのUXの統一性を保つ事に役立つなあと気づきました。これは早速実践したいと思います。

 

 


『キャリアインタビュー プロダクトマネージャー編 丹野さん』

尾澤 愛実 氏 全日本キャリア教育改善推進協会代表
丹野 瑞紀 氏 株式会社ビズリーチ キャリアカンパニー 新卒事業部 プロダクト開発部 部長

 

このブログを始めるきっかけとなったセッションです。

詳細はこちら。


これ以外で刺さったことは「自分が知っていることの棚卸」。勉強熱心な丹野さんは、GLOBIS等のビジネススクールやオンライン英会話で日々勉強しているようです。そのトリガーとなるのが「自分が知っていることの棚卸」です。

自分が知っていることをリストアップし、かつ「今やりたいこと」が実現できていない場合、「なぜそれができないのか?」を分析することで自分に足りないものに気づけます。それを最も効率的に習得できる方法を探すそうです。

 

これは早速実践してみました。自分にはマーケティングとUXの知識が足りないのと、アジャイルスクラム)で開発する現場の経験が足りないと分析したので、今はそれをどうやって補うかを検討中です。(とりあえずUX系のイベントに参加しまくってます)

 

近々丹野さんとは1on1する予定なので、そこで色々と質問させてもらいます。

 

 

 

 

というわけでダラダラと感想を書きました。

こういうイベントに参加するとモチベーションがグンと向上するのでよいですね。

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